アクセシビリティの警告書が届いた日。
それが何なのか、まず何をするか、弁護士に送るもの、そして今週のうちにストアで直せること。
この記事は米国のお客様に販売しているストア向けです。日本から米国へ販売している場合も同じことが当てはまります。
その書面は何か
警告書(demand letter)は、障害のある人があなたのウェブサイトを使おうとしてできなかった、それは Americans with Disabilities Act(ADA)に違反する、と主張する書面です。たいていは具体的な不備を挙げます。説明のない商品画像、スクリーンリーダーが名前を読めないリンクやボタン、ラベルのない入力欄、コントラストの足りない文字。そして求めることも、たいてい2つです。サイトを直すことと、支払うこと。
こうした書面は珍しくありませんし、ビジネスとして行われています。2025年には米国でウェブアクセシビリティに関する連邦訴訟が3,117件提起され、前年より27パーセント増えました。その多くはオンラインストアを名指ししています。訴訟の前に届く警告書は、年間で数万通と見られています。その多くは、少数の法律事務所が、スキャンで見つけたストアに向けて大量に送っているものです。
だからといって、その書面が偽物だということにも、指摘された不備が事実でないということにもなりません。あなただけが狙われたのではないということ、そして直し方はもう分かっているということです。
私たちの助言原告の名前と法律事務所の名前を検索してください。ほとんど同じ内容の案件が何十件も、同じ名前で見つかることがよくあります。それで請求が消えるわけではありませんが、これが個人的な恨みではなく手続きなのだと分かりますし、弁護士にもどういう種類の案件かがすぐ伝わります。原告や事務所に自分で連絡しないでください。そのために弁護士がいます。
最初の24時間
- 放置しないでください。 書面に書かれた期限は本物です。黙っていることが、警告書を訴訟に変えます。
- 自分で返事をしないでください。 書いたものは、そのまま引用され得ます。返事は弁護士がします。
- ADA のウェブ関連の請求を扱う弁護士を探してください。 毎週この種の案件を扱っているのでなければ、顧問弁護士ではなく専門の弁護士に。これまで何件扱ったか、率直に聞いてください。
私たちの助言複数の弁護士に連絡してください。それぞれに同じ3つの質問をします。この種の案件を何件扱ってきたか、まず何をするか、解決までにいくらかかるのが普通か。答えは思っているより違いますし、費用も違います。今回の差出人である事務所を相手にしたことがあるかも聞いてください。この種の書面のほとんどは、ごく少数の事務所が送っています。差出人を知っている弁護士は、その進め方も知っています。最初の相談は無料であるべきです。この種の案件を扱う弁護士なら、話を聞き、その書面が何かを説明し、次に何が起こるかを、お金が動く前に教えてくれます。話も聞かずに着手金を求める弁護士なら、次の人に電話してください。
- オーバーレイ型ツールを入れないでください。 すぐに対応できると売られている、ポップアップ式の「アクセシビリティ」ツールバーは、コードを直しません。導入しているストアも訴えられていますし、最近ではオーバーレイ自体を名指しする書面もあります。
- すべて保存してください。 書面、封筒またはメールのヘッダー、届いた日付。書面が名指ししているページを、今日の状態のまま、日付入りのスクリーンショットで残してください。
私たちの助言スクリーンショットは、パソコンだけでなくスマートフォンでも撮ってください。請求はスマートフォン版のサイトについて書かれていることが多く、両者では不備の出方が違うことがあります。そして、スクリーンショットを撮り終えるまで、そのページを直さないでください。弁護士は、直したあとと同じくらい、直す前の状態を必要とします。
弁護士に送るもの
- 届いた日付を添えた、書面の全文
- ストアのアドレスと、テーマの名前
- 契約している Shopify のプラン。ほとんどのプランでは、チェックアウトのコードはあなたではなく Shopify のものだからです
- これまでに行ったアクセシビリティの作業。過去の診断、アクセシビリティ方針のページ、日付入りの修正記録
- 書面が名指ししているページの診断。すぐに用意できるなら、どの指摘が事実かを弁護士が把握できます
私たちの助言テーマの名前と、カスタマイズしているかどうか、そして入れているアプリの一覧も添えてください。それぞれの不備が誰のコードの中にあるのかが、弁護士にも、ストアを直す人にも分かります。半分くらいの場合、いちばん問題なのはアプリと、2年前に誰かが解説記事を見て入れた変更です。
診断が弁護士にとって重要な理由。 どこが実際に壊れていて、何を直したかを、ページごとに日付入りで記録したもの。それが回答を組み立てる土台になります。「アクセシビリティに真剣に取り組んでいます」という言葉が、日付の入った一覧に変わります。
私たちの助言ある弁護士は、はっきりこう言いました。これは争うものではなく、直すものだ、と。書面がどうなるにせよ、ストアには作業が必要です。だから同じ週のうちに作業を始めてください。その弁護士は、次に動くのは誰で、それはいつなのかも、こちらが1ドルも払う前に説明してくれました。最初の電話で、この2つを聞いてください。次に何が起こるか、そして誰が動く必要があるか。
今週のうちにストアで直せること
こうした書面が指摘することの多くはテーマの中にあり、その多くはそれぞれ数行で直ります。よく出てくる順に並べます。
- 代替テキスト(alt)のない商品画像。 説明さえ書けば、CSV や API でまとめて直せます。
- 名前のないリンクとボタン。 色のスウォッチ、アイコンのボタン、SNS のリンク。たいていは、それぞれテンプレート1つで直ります。
- ラベルのない入力欄。 検索、メール登録、お問い合わせ。入力欄ごとにラベルを1つ。
- コントラスト不足。 たいていは商品写真の上に重ねた文字です。背景を敷く、色を変える、切り抜きを変える、のいずれかで直ります。
- メニューをスキップするリンクがない、ランドマーク(ページの区切り)がない。 テーマの小さな修正です。
- アクセシビリティ方針がない。 ストアをどうテストしているか、問題をどこに知らせればよいかを書いたページです。正直に書いてください。準拠していると書いてはいけません。
時間がかかるのは、メニューやカートドロワーのキーボード操作、スライダー、外部アプリのウィジェット、そして Shopify Plus 以外のプランでのチェックアウトの中身です。そこのコードは Shopify のものだからです。
してはいけないこと
- ストアが「ADA 準拠」や「WCAG 準拠認定」になったと書かないでください。それを正直に認定できる人はいませんし、その表示自体が狙われます。
- 書面が名指ししたページや商品を削除しないでください。直してください。
- 同じ週に業者からメールで届く「対応パッケージ」を、その場で買わないでください。書面と業者は、たいてい一緒に来ます。
私たちの助言業者が認定証や保証を約束してきたら、それはどの法律が認めているのか聞いてください。認めている法律はありません。代わりに、何をテストし、何を直し、直ったことをどう示すのかを、日付入りの一覧で出してもらってください。一文で答えられないなら、売っているのはオーバーレイ型ツールです。
完了とはどういう状態か
何をテストして何が見つかったかを書いた、日付入りの報告書。変更の前後が分かる修正ログ。修正が効いていることを示す、キーボードとスクリーンリーダーによる再テスト。何をしたか、問題をどこに知らせればよいかを書いたアクセシビリティ方針。そして、残っている作業の計画と、その日付。これが弁護士の使える材料であり、次の警告書があなたのストアに向かいにくくなる理由でもあります。
私たちの助言すべてに日付を入れてください。日付のない修正は、ただの意見です。そしてアクセシビリティ方針のページには、まだ残っている項目を正直に書いてください。既知の課題が2件あり、いつ直すかまで書いてある方針は、信用されます。完璧だと書いてある方針は、狙われます。