Klaviyo のカゴ落ちフローと、その隣に置くブラウズ放棄フロー。
同じ午後に作れる2つのフローですが、役割は別です。トリガー、待ち時間、フィルター、そして「すでに買った人に送らない」ための除外条件をお伝えします。最後に、Klaviyo が表示する売上の数字が本当かどうかを確かめる方法もまとめます。
2つのフローの違い
カゴ落ちフローは、チェックアウトまで進んで止まった方に送ります。ブラウズ放棄フローは、商品を見ただけで離れた方に送ります。前者は「お知らせ」です。後者は「ご提案」で、文面もそう聞こえる必要があります。
作る場所は同じで、設定もほとんど共通ですが、トリガーが違い、必要な除外条件も違います。この2つで最も多い失敗は、同じ訪問について同じ人に2通送ってしまうことだからです。
カゴ落ちフローのトリガー
Klaviyo のトリガーはページではなく指標(メトリクス)です。Shopify ストアでは2つあります。
- Started Checkout。チェックアウトまで進み、メールアドレスを入力した状態です。標準のトリガーで、まずはこれを使います。誰なのかも、カートに何が入っていたかも分かります。
- Added to Cart。カートに入れたものの、チェックアウトまで進まなかった状態です。より早く、はるかに多く発火します。ただし Klaviyo がすでに知っている方にしか使えません。匿名の訪問者には送り先がないからです。
まずは Started Checkout のフローを1本だけ作ってください。Added to Cart のフローを足すのは後からで、必要な場合だけです。しかも次の章の除外条件を入れてからにしてください。入れないと、同じ人が両方を受け取ります。
私たちの助言作り始める前に Analytics を開き、Started Checkout に直近24時間のイベントがあるか確認してください。空であれば、フローは正しく見えたまま1通も送りません。Shopify では、テーマエディタで Klaviyo の app embed が無効になっているのが原因のことが多く、これはフロー側では直せません。
お客様に送ってしまわないためのフィルター
ここが飛ばされがちで、飛ばすとストアが雑に見える部分です。Klaviyo は2種類を分けています。
- トリガーフィルターは、フローに入る時に1回だけ判定されます。
- フローフィルターは、1通ごとに毎回判定されます。
これなしで公開してはいけない除外条件が、フローフィルターの Placed Order zero times since starting this flow です。各メールの直前に判定されるので、1通目のあとに購入した方には2通目も3通目も届きません。これがないと、支払いを済ませたお客様に「なぜ買わなかったのですか」と送ることになります。
さらに、トリガーフィルターとして Has not been in this flow in the last 30 days を足します。1週間に3回カゴ落ちした方に、3セットではなく1セットだけ届くようにするためです。
混同されやすい2つの設定。フローフィルターは、その人をフローから外します。Smart Sending は、最近ほかのメールを受け取ったという理由で1通を飛ばします。Klaviyo のメールの Smart Sending の初期値は16時間で、Settings、Email、Sending preferences にあります。有効のままだと、その朝にキャンペーンを送っただけでカゴ落ちメールが飛ばされることがあります。このフローで無効にすれば、カゴ落ちメールは必ず送られます。どちらかを意図して選んでください。偶然で決まらないように。
私たちの助言ついでに4つ目の条件も入れてください。メールで送料無料を案内するなら、カート金額が送料無料の基準に届かない方は除外します。読み手が対象にならない案内は、案内がないより悪い結果になります。
待ち時間
Klaviyo 自身のガイドでは、1通目はチェックアウト開始から2〜4時間後、2通目は1通目から20〜48時間後としています。そこから、多くのストアが落ち着く形はこうなります。
- 1通目、4時間後。まだ迷っている最中でもなく、商品を忘れてもいない頃合いです。
- 2通目、1通目の24時間後。戻ってくる理由を変えます。同じメールをもう一度ではありません。
- 3通目、2通目の48時間後。これで最後です。カゴ落ちから3日で、フローは止まります。
その日のうちに決めて買う商材なら、1通目を1時間後に早めてください。家族と相談してから決める商材なら6時間後に遅らせます。待ち時間はお客様についての仮説であって、決まりではありません。
3通の中身
- 1通目:カート。商品、写真、価格、そしてチェックアウトに戻るボタン。割引は入れません。戻ってくる方の多くはこの1通目で戻ります。ここで割引を出すと、カゴ落ちすると得だと覚えてしまいます。
- 2通目:止まった理由。送料、お届け日数、返品、サイズ、指輪のサイズ直しができるかどうか。調べに行かせるのではなく、メールの中で答えます。
- 3通目:最後のご案内。カートがまもなく空になるなら、そう書きます。ただし本当である場合だけです。ここでの割引は経営判断であって、既定の動作ではありません。利益率が許さないなら、別のことを書きます。在庫が少ない、受注生産である、など。
私たちの助言3通すべてに商品画像を入れてください。共通バナーではなく、カートから引いた画像です。そして件名に商品名を入れます。「カートのご案内」はどのストアも送っている同じメールですが、「14金のシグネットリング」は開かれるメールです。
ブラウズ放棄フローで変わるところ
作る場所は同じで、トリガーが変わり、除外条件が1つ増えます。
- トリガーは Viewed Product。Viewed Product のトラッキングを有効にしておく必要があります。Shopify ではテーマの Klaviyo app embed が担当します。
- Klaviyo が誰か分かる方にしか発火しません。訪問者に cookie が付いている必要があり、それは Klaviyo のフォームでメールアドレスを入力した時か、チェックアウトを通った時に起きます。匿名の訪問者はこのフローに入らないので、件数はカゴ落ちよりずっと少なくなります。不具合ではなく、そういうものです。
- フローフィルターは1つではなく3つ。Placed Order zero times since starting this flow、Started Checkout zero times since starting this flow、Added to Cart zero times since starting this flow です。後ろの2つがあると、先へ進んだ時点でカゴ落ちフロー側に引き渡されるので、両方が届くことはありません。
- 関心度のトリガーフィルターを足します。Klaviyo のものは、Viewed Product が何日間に何回以上あるか、というプロフィールの条件です。サイズガイドを一度見ただけの方は、購入を検討しているわけではありません。
- 待ち時間は最低1時間、メールは1〜2通。Klaviyo の下限が1時間です。2通あれば十分です。この方はまだ何も手に取っていません。
文面も変えてください。カゴ落ちメールは「お忘れです」と言えます。ブラウズ放棄では言えません。置き忘れていないからです。「ご覧いただいた商品です。似たものを3点ご紹介します」と書きます。
件数が少なくても作る価値がある理由。カゴ落ちフローが決して届かない方に届き、費用は最初の午後1回だけです。元になるリストは、登録フォームが働くたびに増えていきます。
売上の数字が本当かを確かめる
Klaviyo は各フローの横に売上を表示します。これは帰属(アトリビューション)による数字であって、通帳ではありません。ずれる原因は4つあります。
- コンバージョン指標を確認する。フローの分析を開き、コンバージョン指標が Placed Order になっているか確かめてください。フローごとに変えられるので、別の指標を向いているフローの数字には意味がありません。
- 計測期間を確認する。2024年10月9日以降に作られたアカウントでは、メールの初期値は5日間です。期間が長いほど、そのフローが起こしたとは限らない注文まで加算されます。人に伝える前に、どの数字を見ているのか把握してください。
- 注文が届いているか確認する。Analytics で昨日の Placed Order の件数を見て、Shopify の管理画面と突き合わせます。Klaviyo 側が少なければ連携が同期できていないので、すべてのフローの数字が過少になります。
- 二重計上を探す。上記の除外条件なしでカゴ落ちとブラウズ放棄の両方を動かすと、同じ注文が両方に計上されることがあります。フローの売上の合計がストアの売上を超えてしまう、最も多い原因です。
私たちの助言どちらのフローも、公開前にご自身で実際にテスト注文をしてください。カートに入れ、自分で受け取れる住所でチェックアウトを開始し、1通目を待ちます。そのうえで購入を完了し、2通目の待ち時間が過ぎるまで待ちます。2通目が届いたら、Placed Order のフィルターが効いていません。お客様ではなく自分で見つけられたということです。
この2つのフローが絶対にしてはいけない5つのこと
- 購入済みの方に送る。Placed Order のフローフィルターを、各メールの直前に判定させます。
- 1回の訪問で同じ方に2通送る。30日の入場フィルターと、2つのフロー間の相互除外です。
- 商品ブロックが空のまま送る。カートのデータが取れないと、メールに白い枠が出ます。Klaviyo はそのブロックを出さない設定にできます。サンプルではなく実在のプロフィールでプレビューして確認してください。
- テスト注文や下書きに反応して送る。公開前に、社内のメールアドレスとテスト用ドメインを除外します。
- チェックアウトと違うことを約束する。メールでは送料無料、チェックアウトでは送料あり。売り逃す最短の道です。
私たちがすること
上記のフィルターを入れて2つのフローを作り、公開前のテスト注文も私たちが行います。お渡しするのは、フロー、メール、設定を書き起こしたもの、そして何をいつ確認したかの記録です。開封率や売上の数字はお約束しません。それは商品とリストのものであって、私たちのものではないからです。お約束するのは、フローが正しく作られていること、そして実際の配信でテストされていることです。